犯罪者へのリンチ・やさしい人への贈り物(下)


10年前の話題~携帯電話を盗もうとした三人組の泥棒が村人たちによってリンチされる映像がテレビのニュースで流れたという話の続きです。(前回を読む)

そのニュースの直後、今度は『どっきりカメラ』のようなコーナー。

どう見たって貧乏なスンバコのワルン(日常生活品の屋台)で働いている少女(20歳ぐらいかな)に、見ず知らずのおばさんが近づいてきて、『母が死にそうだ』とか何とか泣き声で物乞いをするのである。

正直者の少女はおばさんに対して、二万ルピアを手渡した。そこでどうなるかといえば、今度はテレビ局の人がやってきて「これは実はお芝居です。正直で心優しいあなたには、番組から、あなたがおばさんに施した、十倍の金額を差し上げます」で、少女は20万ルピアの現金を受け取るという次第―。

やらせかどうか定かではないが、さっきの残酷リンチ直後だっただけに、リンチと心優しい貧乏少女の取り合わせが、なんだかインドネシアそのものを象徴しているようで、またまたカルチャーショックを受けるのである。

以前バリでパンク強盗にあったとき、犯人が見つかったと警察から連絡があり、留置場で犯人を確かめたことがある。犯人は血みどろ。そのときも正視できなかったぐらい、ぼこぼこにされていた。おそらく住民か警察に殴られたのだろう。

この国には『一寸の虫にも五分の魂』だとか『情けは人のためならず』とかの諺はない(あるのかな?)。しかし「だからこの国は駄目だ」とは思わない。ただただカルチャーショックを受けた。インドネシアは深い。


※過去人気のあった(?)シリーズを加筆修正してお届けしています。

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