あまりにも痛ましい話(後)


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生活費さえままならないのだから、薬を買う金も当然なし。子供の病状はどんどん悪化し、誰に相談するも、解決の糸口は見つからない。そして父親が一ヶ月も帰らぬ頃、とうとう母親は「もう、この苦しみから逃れるには、死ぬしかない」と考えた。

そして、まず子供達四人に毒を飲ませ、彼らを殺した後、母親もその傍らで毒を飲んで死ぬ。哀しいのは、その子供たちの様子。洗いたての小奇麗な余所行きの服を着せ、きれいに髪をといでやり、しぼったタオルで顔をふいてやる。これから夜行列車の旅にでも出かけるように、全員を同じ方向に並べて。それから母親自身も毒を飲み、苦しみながら子供達の傍らで永遠の眠りについた。

遺書がテレビに映されていた。インドネシア語の苦手な私に、女房が解説した遺書の内容は(意訳です。原文のままではありません)

「パパ、帰りを待っていますが、いまだに連絡さえくれないのは、何かあったのでしょうか?子供達は病気になり、ますます悪くなっていますが、薬を買うことさえ、また生活することさえできません。苦しいです。もう耐えられません。子供達は私が連れていきます。パパ、もしできるなら私達のために祈ってください。パパ、愛しています。ありがとう」

この事件はあまりにも痛ましく、そして哀しい。天国があると信じるしか彼女達が報われることはあるまい。


※過去人気のあった(?)シリーズを加筆修正してお届けしています。

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