関空で外国人に間違われた話(後)


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言葉を発したのだから、そのおじさんは聾唖者ではなかった。それなら彼は何人だろう?ベトナムかな?モンゴルかな?ベトナム人もモンゴル人も日本人によく似ている。そう思って彼を眺める。しかしハルが愕然としたのは、隣のお客さんに向かい


「荷物はこれだけですか?」


流暢な大阪弁を話したのだ。

そう、そのおじさんはハルを外国人と勘違いしたのである。言葉がなかなか出てこなかったのは、聾唖者だからではなく、なんとか英語でしゃべろうとしたからなのだ。

げっ!ひょっとして、俺、外国人に間違えられたの?

外国人に間違えられたからといって、いまさら落胆したりしないが、今度は先ほどとは別のバス係りのおじさんが、ハルの荷物全体を指差して


「オール?」


これで全部ですかとジェスチャー。

そう、ハルはこの短時間に二度も外国人に間違われたのだ。いくらインドネシア生活が長いといっても、風貌まで変わってくるのだろうか。ハルのアイデンティティーは紛れもなく日本人なのだ。ちなみにパスポートの表紙は赤色で緑ではない。


※過去人気のあった(?)シリーズを加筆修正してお届けしています。

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