近隣の夜逃げ(前)


となりのおばさんの家に今日夜逃げする家族が挨拶に来た。夜逃げするのに挨拶とは変だが、このおばさんには借金をしておらず、お世話になったということなので、若干の餞別ももらって二泊かけて奥さんの実家に帰るという。

家族は亭主に女房、子供が中2を筆頭に小学生の女の子が二人。二泊の都落ち費用を除けば、子供たちが二日で食べるものは、カップ麺がわずか数個という極貧状態である。

亭主の仕事は運転手。まじめなことはまじめだが、最近タクシーの運転手をしたのが災いし、胸を患い、ほぼ二月の間、収入が途絶えた。

で、ご近所に無心をしていくが、家賃も三ヶ月滞り、大家さんからやいのやいの催促され、周りのみんなにおよそ10JUTA以上借金を重ねては、とうどうギブアップし、この日の夜逃げを決めたのであった。

もちろん、我が家はお金を貸していないが、彼らがお金に困ったとき、「まだ一度も使っていない」というオーブンレンジを売りに来て、それを買ってやったことがある。

(次号に続く)


※過去人気のあった(?)シリーズを加筆修正してお届けしています。

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