時間泥棒、ふたたび(前) |
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先週土曜日の話。昼間にインドネシア人のお客さんがやってきて
「これ、売りたいんだけど」
もってきたクラブを見ると、これが二十年以上前の名も知れぬマッスルバックアイアンおよび小型ヘッド(当時は普通)のドライバー。
いくらなんでも古過ぎる。それに汚過ぎる。
「無理です。これだけ古いと…」
そのお客さん、食い下がることもなく、もってきたクラブをバッグにしまう。
それから店内にある売り物のドライバーを「これ、いいなあ」としげしげ見つめたあと、帰っていった。
夕刻、その人から電話あり。
「昼間に来たものですが、さっきのドライバーまだありますか。赤いヘッドの○○です」
ああ、あの人か。
「まだありますよ」
「今日は何時までですか」
「今日はもう閉店です」
「来週はもう行けません。今日でないと…」
「わかりました。7時までならお待ちしています。7時までに来れますか?」
「了解しました。行きます」
(次号に続く)
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