シャフトカットは考えて

開店当初は「いつ潰れるのやら」「やっていけるのか」と第三者だけではなく、経営者の店長ハル自身も訝っていたけど、開店から既に五年以上も経過し、いまではそこそこに認知されるようになって、われながら「よくもったなあ」と感心しているのだ。今回より回想の意味もあり、過去のゴルフショップ繁盛記を加筆修正して改めてJPgolfを紹介したい。

がたいのいい日本人のお客さんが二本クラブをもってきて(ドライバーと3番ユーティリティー)

「このドライバー長いんだけど、これぐらいに切れるかな」

このぐらいって指示してくれたのは、19度の3番ユーティリティーと同じ長さにしてくれということ。

まったく同じ銘柄。テーラーメードのSLDR、シャフトの硬さも同じ。

そのお客さんにとって、自分が一番打ちやすい長さが3番ユーテリティーで、ドライバーも同じ長さにすれば打てるのではないか〜である。

一見しごくまともな意見かもしれないが、だいだいドライバーはあの長さだから飛ぶのであって、シャフトを短くしても飛ばない。いやミート率の問題で飛ぶこともあるけど、長い方が間違いなく飛ぶのは「物理の法則」で明らかである。

バランスを調整し短い別のシャフトに替える手もあるけど、オリジナルのシャフトを10センチも切れば、トリプルXぐらいの硬さになり、バランスそのものがおかしくなって、飛ぶどころかまったく打てないドライバーになってしまう。

そうなれば中古ショップで再販することさえできなくなり、粗大ゴミがひとつ増えるだけなので、その愚を懇切丁寧に説明してさしあげた。

「はあ、そうなんですか。やっぱりやめとこうかなあ。このユーティリティー、ドライバーより飛ぶんですよ。だから同じ長さにしたらドライバーも飛ぶのかと」
「そのユーティリティーでどのぐらい飛ぶんですか?」
「240ヤードぐらい飛びます」


240ヤード!


ドライバーいらんやんか…


ちなみに店長ハルのドライバー飛距離は200ヤードです。



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