お客さんの背中を一押し
開店当初は「いつ潰れるのやら」「やっていけるのか」と第三者だけではなく、経営者の店長ハル自身も訝っていたけど、開店から既に十年以上も経過し、いまではそこそこに認知されるようになって、われながら「よくもったなあ」と感心しているのだ。今回より回想の意味もあり、過去のゴルフショップ繁盛記を加筆修正して改めてJPgolfを紹介したい。

平日の昼間、インドネシア人の若者三人組来店。当方のスタッフが食事中でハルが対応。

お目当ては5番ウッド。ホンマの古いモデルが一本あってそれを購入するかどうか真剣に考えている。

三人のうち、二人は年上でゴルフのことをよくわかっている。

そして悩んでいる若者に

「これはいいよ」
「安いよ。買うべきだ」

それでも若者はクラブをじっと見つめハルに意見を求めてきた。

「これをどう思いますか?」
「いいと思いますよ。安いしね」

ちなみに20万ルピア(1500円ぐらい)なのだ。

「うーん、どうしようかな…」

年上の二人は正直呆れているようにも見えた。たかが20万ルピアのクラブになぜそんなに悩むのか。

貧乏人ではあるまい。だいたいゴルフをやろうとする人が貧乏人とは考えられない。

いい加減、決めかねているので、ハルが背中を一押し


「昼飯三回分ですよ。なぜそんなに悩むの?」


これにはほかの仲間も大笑いして、若者はようやく購入を決定したのである。


このページは過去アクセスの多かった記事を加筆修正して再掲載しています。
0180831