大塚智彦の「この人に聞く」

丸福~布川光男氏①


丸福・布川氏(左)と大塚智彦(右)

「大事なことは謙虚であるかないか」(布川氏談)

1996年オープンというから栄枯衰勢の激しいジャカルタの日本食レストランとしては間違いなく老舗の部類にはいる「丸福」。ジャカルタ南部の俗称「日本人街」あるいは「リトル・トウキョウ」といわれるブロックMに自社ビル店舗の居酒屋としてジャカルタの日本人駐在員、出張者そしてインドネシア人、中国系インドネシア人、韓国人の間では知られた存在である。

オーナーの布川光男氏(58)は3月11日から6月11日までの3カ月間、コロナウイルスの感染拡大防止のためにジャカルタ州政府がとった「緊急対応宣言」や「大規模社会制限」などに先駆けて店を一時休業として、情勢を冷静に見極めた。

「宅配、持ち帰り」あるいは「裏営業」などとは無縁のルールに従いながらの状況判断ができたのは「店舗の家賃が不要な自社ビルであることと信頼できるスタッフのお陰」と話すが、状況を的確に判断するこの道のベテランならでは観察力と洞察力があった賜物とも言えるだろう。

以前の客足はまだまだ完全には戻っていないが「少しずつではあるが間違いなく増えている」と営業再開の手応えを感じながらも、なかなか入ってこない日本の食材や酒類をどう調達し、どう差配し、どう切り盛りするか試行錯誤の日が続いているという。

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こちらは丸福名物『蒸しカニポン酢』



大塚智彦プロフィール~1984年毎日新聞社入社、長野支局、東京外信部防衛庁担当などを経てジャカルタ支局長。2000年産経新聞社入社、シンガポール支局長、社会部防衛省担当などを歴任。2014年からフリーランス記者として東南アジアをフィールドに取材活動を続ける。著書に「アジアの中の自衛隊」(東洋経済新報社)、「民主国家への道、ジャカルタ報道2000日」(小学館)など



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