10月8日ジャカルタ中心部で発生の暴動
その爪痕に思う①

スディルマン通りの「トサリ」バス停の惨状

10月8日午後から夕方、夜にかけてジャカルタ中心部は催涙ガスと放火の火炎に包まれた。国会が日程を急きょ前倒しして5日に雇用促進を図るいわゆるオムニバス法案を可決採択したことを受けて、労働団体や学生組織が強く反発し、5、6、7日と全国の主な都市で主に労働者による抗議デモが起きていた。

ジャカルタは首都圏警察がデモを禁止したため7日までは大きな動きはなく、局地的な小競り合い程度で収まっていたが、8日はジャカルタ内外の大学生が動員され、市内中心部の大統領官邸(イスタナ)を目指し多くの群衆も集まった。

8日午前にチキニからガンビール周辺にかけてはバスや鉄道を利用して大学生が集結、午後2時過ぎからモナス(独立記念塔)東側のガンビール駅周辺では早くも学生と警察部隊が対峙、催涙弾が飛び交う状況となっていた。

ところがその時点でモナス西側では北のハルモニ交差点、南のインドサットビル前では南北から大統領官邸(イスタナ)を目指ら学生たちと警察部隊の衝突がすでに始まっていた。

要所で取材する記者らから次々の現場の状況や動画、写真が届き、状況がさらに悪化する懸念が高まった。8日はコタからブロックMに向かう「トランス・ジャカルタ」のバスは完全運休となっていた。

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大塚智彦プロフィール~1984年毎日新聞社入社、長野支局、東京外信部防衛庁担当などを経てジャカルタ支局長。2000年産経新聞社入社、シンガポール支局長、社会部防衛省担当などを歴任。2014年からフリーランス記者として東南アジアをフィールドに取材活動を続ける。著書に「アジアの中の自衛隊」(東洋経済新報社)、「民主国家への道、ジャカルタ報道2000日」(小学館)など



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