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更年期障害の多様性


Q シンガポール在住ですが56歳の女房のことで相談させてください。2年くらい前にもう生理は終わっていましたが、昨年12月に以前からあった子宮筋腫がかなり大きくなっているとのことで、子宮と卵巣の摘出手術を受けました。こちらの術後の状況は手術担当医からも良好だと言われています。

問題なのは、1年くらい前から女房が盛んに上階の住人が出す騒音に非常に神経質になっていて、確かに私にも聞こえるドアや引き出しの開閉音もあるのですが、通常の生活騒音レベルだと思われるものにまで盛んに文句を言います。それ以上に日中や深夜に床面を機械で磨いているような連続音が聞こえて、頭痛・不眠やイライラがたまるとのことです。深夜の機械音など私にはまったく聞こえませんし、彼女の友人が家に来ている時には聞こえないようで、誰も同じような騒音を聞いたことがありません。耳の障害かもしれないと思い、耳鼻科で聴力検査や中耳のエコー検査?などもしてもらいましたが異常は見当たらないとの診断でした。

そこで、はたと気がついて「更年期障害」でネット検索してみると、人によっては幻聴や耳鳴りという症状もあるとのことで、女房の状態が説明できるのではないかと思いました。

更年期障害とか神経性とかいうと、上階の発生する騒音だと信じ込んでいる本人が素直に聞いてくれるとも思えず、相当もめる覚悟してでも本人に伝えるしか改善の方法はないだろうと思います。

たしかにそういう例があります。女性の更年期障害の多様性は驚くほどです。

経験した例では、訴えを聞いているとあたかも総合失調症であるかのようにも感じたこともあります。しかし、更年期障害を疑い、ホルモン治療にて一月でまったく別人のように落ち着きを取り戻された方もいました。

いつの世もおなじですが、自分の女房を敵にまわすようなことをして幸せになるのは至難の業です。それも気の強いタイプの妻では、ご機嫌を損ねた結果どうなるか?想像するだけでも恐ろしいでしょう。

で、どうするか?ですが、婦人科のドクターに前もって相談して、症状を説明しておき、ドクターのほうから声をかけて、手術後の経過を見るということで、何とか奥様を病院なりクリニックに行ってもらえれば、プロの産婦人科医なら、更年期障害の程度を判定できるでしょうし、同時にホルモン補充療法を薦めることもできます。

幻想や思い込みというのは、本人にとっては現実のなのですから、真正面から否定しては 問題が大きくなります。

以上、お困りと思いますが、対処法を簡単に書きました。

ご自愛くださいますように。あなたのご家庭が平和でありますように。合掌。

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※「よろずインドネシア」の医療相談掲示板にてご相談のあった内容を紹介しています。