誰も悪くないけど…(後)
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実は似たようなことを編集長ハルも経験している。もう十年も前の話。女房の甥がノーヘルで交通事故に遭い、頭を激しく打ちつけ危篤状態であった。そのときも両親には手術をするお金がなく、私にその援助を求めた。手術をしても駄目だろうなあとは思っていたが、何とか融通できる分は援助した(結局死んでしまったが)。

ハルが援助依頼を受けたのは、事故後数時間してからである。すぐに手術をしていれば何とかなったかもしれないが、インドネシアでそんなことを期待するのは無理というもの。

今回は彼女(先生)の意識がしっかりしていただけに余計哀しい。実は、オートバイの同乗者は婚約中の彼氏であり、結婚式の招待状を配りに行く途中のできごとであった。

インドネシアで暮らすかぎり、そんな環境は受け入れねばならない。たとえ、お金をもっていたとしても、事故に遇えば支払いが行われない限り、手術は受けられない。だから非常事態の場合、金持ちであろうが貧乏であろうが、助かるものも助からないことがままある。そんな国だ。

発展途上国は駄目だとか言っているのではない。これも運命と、その環境に抗わない限り、あるいはその環境に妥協しない限り、そこで生きていくのはしんどい。

もし万一のことがあったら!?…

万一の心配をする人にインドネシアは不向きである。しかしそうは言っても日本人は日本人。やはり万一の心配をしてしまう。そんなジレンマに陥りながら毎日を生きている。


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