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チフスに関する考察

Q 侮るのは危険だと思いますが、同僚・友人がよく腸チフスに罹ったと言っています。日本では法定伝染病で恐ろしいと思われています。私の祖父も戦前に腸チフスに罹り3日で亡くなりました。

抗生物質ですぐに良くなるようですが、腸チフスの症状は熱が下がりしばらくして又発熱するような事が書かれていますが、腸チフスであることを、血液検査で確かめておく事は必要でしょうか?腸チフスの血液検査は時間的にどの位掛かり、特殊な方法で、信頼性は如何ですか?
又予防注射はあるようですが、腸チフスに一度罹ると免疫が出来て抵抗がつきますか?

温暖化でデング熱が北に向かって上昇している様で、近い将来に日本でも腸チフス・デング熱が流行るかもしれません。

腸チフス パラチフスは 戦前戦後 まだ恐ろしい病気で 日本人も多く亡くなっていると思います。

ひとつは病原性がむかしのチフスのほうが強かったこと そして昔は抗生物質がすぐに手に入らなかったことが原因と思います。

いまは 抗生物質が使えるので 重症になることは多くないのですが 侮るといけません。

インドネシアでは チフスの検査として WIDAL検査というものを使うのですが 確実性がないので 先進国ではすでに消えてしまった検査です。

チフスの検査は 最終診断は 血液培養でチフス菌が発見されることです。

免疫もつくのですが ときにチフス菌が身体に住み込み・・チフス菌のキャリアーといいますが ・・・この菌が 暴れ始めて 繰り返しチフスになることがあります。

チフスの診断は すでに述べたとうり 血液培養をしないと明確に診断できず 安易に診断されたものは 誤診の可能性もあります。血液培養は 一週間程度かかるので意外と診断が難しいのですね。

特殊な検査としては DNAを検索するサルモネラPCRという血液検査があります。これは 身体の中に チフス菌の隠れている可能性を探る検査で キャリアーの可能性を調べる等で 使います。

デングか チフスか・・・時に分からないことがあって 典型的なものはわかりやすいのですが ぼんやりしていて 診断に困ることが時々あります。



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